JELC TNG-teens オフィシャルブログ　"Shout to the Lord!!"

わたしは大学生の頃、春休みの１か月を勉強のためアメリカのシアトルで過ごしました。シアトルの市街地には、アジア系住民が多く住むインターナショナル・ディストリクトという地区があり、わたしが生活した日本人専用のコンドミニアムもその地区にありました。慣れない場所で英語でのコミュニケーションに苦戦したり、日中は緊張して過ごしても、夕方にはインターナショナル・ディストリクトに帰ってきて、日系のスーパーで買い物をしてコンドに帰るとほっとした気持ちになりました。
わたしはその時初めて、ここでは自分はインターナショナルな存在、外国人なのだと実感しました。自分が異国で外国人である時、少なからず誰もが弱く、心細い立場となるでしょう。母国で命の危険にさらされて、着の身着のまま逃れてきた難民であればなおさらのことです。

いま、国会で審議されている入管法の改正案が　大きな問題を抱えている、と多くの批判を集めています。難民申請をしている人を含めた、在留資格を持たない多くの外国人が長期に収容され、日常の生活を奪われて、命の危険にすらさらされています。今回の改正案は、この現状の改善に繋がるものではなく、むしろ難民申請中には強制送還されない、という難民保護の制度に限度を設けるという、難民の人々の命や尊厳を損なう内容のものです。

わたしたちキリスト者は、イエス様から、「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。」と教えられています。イエス様が、徴税人や罪人、病の人など、社会的に弱い立場の人と共にいて、その一人ひとりを愛してくださったように、わたしたちが愛し合い、助け合うべき人は、日本人同士だけではなくて、日本に暮らす、立場が弱く心細い外国人にこそ、その思いが向けられるべきなのでしょう。

日本が、難民申請している人々、日本で暮らすことを望む外国人一人ひとりの存在と向き合い、その命と尊厳を尊重できるよう、わたしたちがより一層関心を持ち、仕組みから変えていくよう働きかけていく勇気が欲しいと思います。

《わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。》
（新約聖書/ヨハネによる福音書15章12節）

※5/18日に「入管法改定案」は取り下げられ事実上の廃案となりました。しかしながら現行の入管法にも多くの問題が残されたままです。日本福音ルーテル教会では、社会委員会などで継続的に学びの時を持っています。JELCニュースブログなどでチェックしてみてください。https://jelc.or.jp/