メルマガ829

《主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、言われた。「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」》
（旧約聖書/創世記 11章 5-7節）

あなたは学校での英語の勉強に苦労していますか。英語に限らず外国語を勉強するには多大な時間と労力がかかります。言葉が通じない人と意思疎通するのは大変で、時に行き違いや誤解が生じます。外国語ができないから海外に行かないという人も居るかもしれません。聖書には、神さまが一つだった人の言葉をたくさんの言葉に分けたと書いてあります。どうしてなんでしょう。世界の人たちが同じ言葉で話していたら、英語の勉強もしなくて良いし、どこに行っても話が通じて、こんな楽なことはないのにと思います。

最近は自動翻訳の精度がとても高く、観光であれば外国語ができなくても自動翻訳アプリを使って海外旅行できるぐらいに技術は進歩しています。しかし、それで全ての人と言葉が通じて、みんなが分かり合える世界になるかというと、残念なことに、そうはならないでしょう。神さまが人の言葉をたくさんの言葉に分けたのは、言葉が一つの世界では一人ひとりの人間が粗末に扱われていたからではないでしょうか。みんなが一つの言葉で話していれば、相手を理解しようとしなくても、相手を分かったような気になってしまい、一つの意思だけしかないように思われ、他の意思の存在が否定されます。きっと相手も自分と同じように考えているだろうと決めつけ、あなたの意思も私と同じはずだから黙っていなさいと、一人ひとりの声が無いことにされてしまうでしょう。今、私たちが生きている社会にもこの苦しみがあります。ですから私たちは相手を知り、理解するために、言葉を学び、言葉を聴こうとします。

誰も私のことなんて理解してくれないという悲しみや孤独が、あなたを襲う時があるでしょう。そんな時にも、神さまはあなたの言葉を聴いています。そして、あなたに通じる言葉であなたに語りかけています。私たちは、神さまが語りかけてくださる言葉によって、断絶した世界をつないでいくことができるはずです。

※配信が一日遅くなりました。