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2023年12月20日

【Teensメルマガ】868

《だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。》

(新約聖書/マタイによる福音書6章4節)

先日、私は財布を落としてしまうことがありました。買い物を終えて家に帰ると、カバンに入れていたはずの財布がなかったのです。カバンの中や洋服のポケット、帰りに通った道など思い当たるところは全て必死に探しました。しかし、結局自分では見つけ出すことができず、警察に遺失物の届けを出すことになりました。

その日の夜、私はとても落ち込み、不安になりました。「明日からどう生きていこうか」とすら考えました。実際には翌日に損失のない状態で財布は見つかったので、生活に困ることはありませんでした。そうでなくても、話を聞いて心配し助けてくれる友人もいましたし、電子決済などが発達していますから、財布を落としたからといって、生活が全くできなくなるということはありません。頭ではそのことも分かっていました。それでも財布をなくしている間、生きていくすべを失ったかのように、絶望する私がいたのです。

全て解決した後で、祈りと信仰に生きたカトリックの司祭、ヘンリ・ナウエンの書いたある文章と私は出会いました。そこにはおおよそ次のようなことが書かれています。

「わたしたちは新しい国と旧い国の境界線をうろついている。新しい国に、救いと本物の喜びがあることを知りながら、居心地がいい旧い国にもどってしまう。しかし旧い国にはもう魅力がないことに気づくのである。」

まさに私はこのような体験をしました。私たちの生きる力は、富ではなく神様に頼ることにあります。私は神様に頼って生きている気でいたのに、実際には財布を、手元にお金を持っていることを心の支えとしていたのです。だから失くしたとき、必要以上に不安に襲われ、苦しむことになってしまいました。しかし、神様を頼って生きる時に与えられる本当の喜びは失われ、損なわれることがありません。神様の愛は永遠だからです。それゆえ、今回のように旧い国にいることを自覚した時には、神様が共におられる新しい国へまた踏み込もうと決心します。

ナウエンは続けて言います。「思い切ってあと二、三歩、新しい国へ踏み込め。回を重ねるごとにだんだん長くいられるようになると信じて。」

正直、財布を頼りにする、旧い国にまた戻ってしまうこともあるかもしれません。それでも、旧い国に留まってしまうわたしたちが新しい国に踏み込むことができるように、イエス様はこの世に来られました。本当の喜びをもたらす神様の愛に、何度も立ち帰っていきたいと願います。


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Posted by JELC TNG-teens at 13:00 │メルマガ

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