JELC TNG-teens オフィシャルブログ　"Shout to the Lord!!"

ChatGPTをご存じですか？ChatGPT（チャットジーピーティー）は、アメリカの人工知能研究所「OpenAI」（オープンエーアイ）が開発したAIチャットサービスです。質問を入力すると、AIがまるで会話をしているかのような自然な文章で、即座に答えを返してくれます。

私は牧師をしていますが、仕事でも時々ChatGPTを活用しています。ブログのネタ探しやちょっとした疑問の解決にChatGPTは便利です。「マルチン・ルターについての面白い話を教えてください。」「古代イスラエルの結婚制度について教えてください。」といった一般的な質問に、AIは理想的な回答をしてくれます。

ある時、説教もAIが書いてくれないだろうか？と思ってChatGPTを使ってみました。「マタイ福音書〇〇章〇〇節について説教してください。」と入力すると、即座に説教が作成されます。その説教は内容に間違いがなく形式も整ったものでしたが、これは実際には教会で使えないなあと私は思ったのでした。

その理由は、AIが作成した説教の内容が、一般的、抽象的すぎたからです。AIに説教を書いてもらうと、特におかしなところはないのですが、まったく印象に残らない、具体性がなくて何を言っているのかよくわからない文章ができあがります。

そのことはしかし、ChatGPTの仕組みを考えれば当然のこととも言えます。ChatGPTはインターネット上にある膨大なデータから瞬時に質問の答えを作成しています。インターネット上のデータには、専門書にあるような知識や、話し手のキャラクター、聞き手の状況は織り込まれていませんから、どうしても普段私たちが教会で聞くような説教とは違ってくるのです。

教会の説教は、牧師が専門的な知識をもとに、自分らしく背伸びをせずに、集っておられるみなさんのことをよく理解した上で語るものです。色々な仕事がAIによって置き換えられる世の中にあっても、今のところ、説教というのは人間がした方が良い仕事に入ると私は思っています。牧師があなたのために語る説教を、ぜひ教会に聞きにきてくださいね。

《そのように、わたしの口から出るわたしの言葉もむなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げわたしが与えた使命を必ず果たす。》
（旧約聖書/イザヤ書55章11節）